第2話「さまざまなライフステージで取り入れたい、インデックスファンドと積立投資」

前回は、インデックスファンドとは「マーケットそのものに投資する」ことから、シンプルで分かりやすい金融商品であるということを、和泉昭子さんに解説いただきました。今回は、さまざまなライフステージに合わせた資産運用の考え方、また、そのなかでインデックスファンドを利用した投資についてお話を伺います。

生活経済ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー
和泉 昭子氏

大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに転身。 NHKを中心に、ニュース・情報番組を担当。95年CFP ® (ファイナンシャル・プランナー上級資格)取得後、現職へ。

現在は、メディア出演や講演活動、個人相談などを通じて、マネー、キャリア、コミュニケーションに関する情報を発信。テレビ・ラジオのコメンテータ、新聞・雑誌・書籍の執筆監修を行う。 早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。株式会社プラチナ・コンシェルジュ代表取締役。

資産運用を考える際、まず把握すべきは自身のライフイベント

投資をはじめるにあたり、どのように資産運用について考えるべきでしょうか?

資産運用について相談を受けたときは、まず、これからご自身が直面するであろうライフイベントの確認から始めます。人生には、結婚、出産、子育て、住宅購入、医療・介護、老後など、まとまった資金が必要になる出来事がありますので、それを書き出してもらうのです。

今後どのようなライフイベントが発生するのかを整理することで、この先、必要なお金が少しずつ見えてきます。まず、いざというときのために、月収の3ヶ月分の預金は常に確保しておくべきでしょう。次に、5年以内のライフイベントに備え、必要な資金を確保します。その上で、余裕資金がいくらあり、どれくらいを投資に回せるのかを把握することが、資産運用の第一歩です。

ライフステージごとに異なる“余裕資金”と“リスク許容度”

資産運用を考える上で、ライフステージごとに注目すべき点はありますか?

ライフステージごとに生活環境や収入など、投資のための条件は大きく異なってきます。働き始めたばかりの人、子どもが生まれたばかりの人、退職し年金生活に入っている人…、それぞれのライフステージにおいて、余裕資金がどの程度あるのか、また、リスクをどれぐらい引き受けることができるのかを検討する必要があります。

まず、若い世代の投資家は、どのように考えればいいでしょうか?

20~30代のまだまだ若い投資家は、年長世代と比べて、リスクを受け入れられる、つまりリスク許容度が高い傾向があります。なぜなら、この先、まだまだ働く期間が長いので、長い目でお金のことを考えることができるからです。今現在、自由に使える資金は少ないかもしれませんが、将来の昇給などによっては、今よりも所得を増やせる可能性もありますし、その分、柔軟な投資ができると言えるでしょう。インデックスファンドであれば、株式で積極運用するファンドを検討してみてはいかがでしょうか。

では、年長世代の投資家はどうでしょうか?

子育てが佳境に入り、いよいよ自身の老後が現実味を帯びてくる40〜50代や、すでに定年退職し、貯蓄の取り崩しがはじまっている60代以降のシニア層は、若い世代と比べて、リスクを背負いにくい、つまりリスク許容度が低い傾向があります。なぜなら、給与など、定期的に得られる所得がこれ以上増える見込みが少なくなる、あるいは所得が無くなる一方、子供の進学や両親の介護など、一定の資金が必要とされることが想定されるため、リスクに対してどうしても慎重になるからです。

ただ、特にシニア層は、長年に渡って資産形成をしてきた分、投資に回せる余裕資金も増えますので、意外とリスクを引き受けられる方もいらっしゃるかもしれません。インデックスファンドなら、リスクに慎重な方は債券を、リスクを引き受けられる方はREITを含むファンドへの投資割合を増やしてみてはいかがでしょうか。

積立投資なら、無理せず投資をはじめやすい

各自のライフステージごとのポイントをふまえつつ、インデックスファンドを利用した効果的な投資について教えていただけますでしょうか?

インデックスファンドを利用した「積立投資」という方法があります。

ライフステージごとに異なる事情があり、余裕資金やリスク許容度はさまざまですが、お金をコツコツと貯めて、賢く増やしていきたいと考える人は、どのライフステージにおいてもきっと多いと思います。なるべくリスクを抑えながら、一定期間ごとに決まった金額で投資ができるのが、インデックスファンドでの積立投資です。

積立投資なら、たとえば「1カ月に1万円」といったように、毎月投資する金額を決めて、そのお金で決まった金融商品に継続的に投資していくことができます。インデックスファンドのような投資信託の積立投資であれば、少額からできますので、投資をはじめるのに適しているのはもちろん、無理なく続けられるのが大きな魅力ではないでしょうか。

ポイント

  • 資産運用では、自分に必要な資金や余裕資金を知ることが大切
  • ライフステージごとに余裕資金と許容リスクは異なる
  • 少額からはじめられる積立投資なら、投資をはじめやすく、続けやすい

結び

今後、発生するライフイベントを把握し、現在、自分がどのようなライフステージにあるのかを知ることで、投資に回せる余裕資金や許容できるリスクが少しずつ見えてきます。コストの安いインデックスファンドなら、無理なく効率的に積立投資を行えるのではないでしょうか。

次回は、インデックスファンドの使いこなし術について、お話を伺います。