鵜目鷹目02. 若年層の男女の収入・貯蓄逆転と資産運用

2010年11月26日掲載

男女逆転の背景

2010年9月末、総務省が発表した平成21年全国消費実態調査(5年毎の調査)によると、表に示したように30歳未満の単身勤労世帯(以下、若年層)の男女の可処分所得は初めて逆転した。税金や社会保険料等を加えた実収入ベースではまだ男性の方が高いが、その差は僅少となっている。

逆転の背景には、雇用の非正規化の進行、男女の雇用分野の違い(男性は製造業比率が高く、女性は医療・福祉比率が高い等)や分野間の移動速度の違いがある。つまり、「グローバル化」と「高齢化」が、男女平等化の推進力となっている。

収入・貯蓄、市場環境の変化が資産運用の行動に影響

貯蓄額も逆転した。内訳をみると、有価証券比率は過去と比べて男女共に上昇し、比率そのものは女性の方が高い。ちなみに、この統計は収支編である。有価証券の内訳が記載されている貯蓄・負債編によると、収支編同様、女性の方が有価証券比率は高いが、細目の株式・株式投信比率は男性が高く、債券・公社債投信比率は女性の方が高い。リスク許容度の違いはあるとしても、収入・貯蓄の変化や市場環境の変化は、若年層の資産運用の行動に影響をもたらしていると考えられる。

表 若年層の収入、貯蓄の内訳

 男性女性
 199920042009199920042009
実収入(1ヶ月、円)270,386269,282253,952230,341228,054251,290
可処分所得(1ヶ月、円)225,959231,851215,515194,343195,902218,156
貯蓄現在高(千円)1,6611,7081,6161,5911,4831,992
通貨性預貯金(%)35.052.662.828.043.044.2
定期性預貯金(%)34.824.423.845.839.939.7
生命保険など(%)14.610.44.314.710.53.0
有価証券(%)1.93.67.42.11.69.6

【出所】
総務省、全国消費実態調査より野村アセットマネジメント作成

これからの若年層の資産運用

若年層の資産運用を考える上でグローバルな株式市場を俯瞰(ふかん)しておきたい。図に日本株、先進国株、新興国株のシャープレシオを示した。この指標は、株式リターンから短期金利リターンを差し引いて、株式リスクで調整した投資効率を示す指標である。80年代までは日本株の投資効率が高かったが、90年代以降低迷し、2000年代に入ると新興国株が取って代わっている。

若年層は、定期的収入から積立てを行うのが長期的資産形成の一般的手段である。就業環境がグローバル化の影響を受けつづける限り、自身の資産運用においても、新興国を含めた視点で早めに取組むことがポイントとなろう。

図 株式の年代別シャープレシオの推移

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【使用した指数等】
日本株:TOPIX(配当込み)(但し、1965/1~1989/1のリターンは東証一部の配当利回りを基に、当社独自に計算)
先進国株:S&P500株価指数※1 (1969/12まで)、MSCI-KOKUSAI指数(円ベース・為替ヘッジなし)※2(1970/1以降)
新興国株:S&P/IFCG指数※3(1985/1から1987/12まで)、MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)※4(1988/1以降)
無リスク金利:有担保コール翌日物金利

※2 図中の先進国株の過去のパフォーマンスを算出する際、過去の期間においてデータを遡及できる期間が限定されていたため、比較的リターン特性が近いと考えられる指数※1を用いて一部代替しています。
※4 図中の新興国株の過去のパフォーマンスを算出する際、過去の期間においてデータを遡及できる期間が限定されていたため、比較的リターン特性が近いと考えられる指数※3を用いて一部代替しています。

【出所】
(株)東京証券取引所、スタンダード&プアーズ社、MSCI、短資協会のデータを野村総合研究所Super Focus、トムソン・ロイター、ブルームバーグより取得し、野村アセットマネジメントが作成

 

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