鵜目鷹目31. 順張り逆張りとファンド選択

2013年11月29日掲載

順張り逆張りとファンド選択

本コラムの第四回で順張り・逆張り運用について考察を行った。循環相場においては、逆張りが有効であることを示した。そこで、今回はファンド選択とこの関係について、考察を行ってみたい

順張り、逆張り手法の累積投資収益推移

順張り、逆張りの定義は第四回と同じで、前者は相場の方向に沿って買う、もしくは売る。後者は、相場の方向性と逆の方向で買う、もしくは売る行為としておく。

図1に第四回で示した同じ手法、つまりTOPIXの水準1250の時の株式比率を50%(短期金利50%)として、順張り運用はTOPIXが上がれば株式比率を上げていく、逆に、逆張り運用は下げていくという単純なルールでの計算結果を示した。

図1 順張り、逆張り手法の累積投資収益推移

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【図について】
期間は、1991年12月末から2013年9月末まで。
順張り、逆張り、株式比率50%固定については、1991年12月末を100として指数化。

【計算方法】
TOPIXの水準変化に応じて株式比率は比例して増減する方式としました。
TOPIXの水準が1250の時に株式比率を50%(短期金利50%)とし、順張りでは、TOPIXが1750の時に株式比率100%、逆に750で0%になるルールとしました。逆張りはその逆の方式としています。

【使用した指数等】
TOPIX:TOPIX(配当込み)、短期金利:有担保コール翌日物金利(月中平均)

【出所】
(株)東京証券取引所、短資協会データを野村総合研究所Super Focusより取得し、野村アセットマネジメントが作成

 

これをみると、昨年秋からのアベノミクス相場による株式上昇トレンドを順張り手法では捉えきれていない。逆に逆張り手法では恩恵を得ていて、累積でみれば、2007年時点の高値を抜いた状況となっている。また、株式比率50%で固定した手法が2007年時点の水準に及んでいない。これらを考えると、逆張り手法が順張り手法や株式比率50%固定と比較して、うまく行ったと言える。

ファンド選択と順張り、逆張りの関係

次に、「良いファンド」と「そうでないファンド」を用意する。単純化のため、先と同様にTOPIXが1250ポイントより上に上がると株式比率を高める順張り手法と逆に株式比率を低くする逆張り手法の両方を適用する。「良いファンド」でも一時的にパフォーマンスが優れない場合もあるので、ここでは単純にTOPIXのリターンにα(アルファ)%を機械的に加えたケースを「良いファンド」、逆にα(アルファ)%を差し引いたケースを「そうでないファンド」と定義する。ここではαを2%(年率)として、図2を描いてみた。

図2 ファンド選択と順張り、逆張りの関係

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【図について】
期間は、1991年12月末から2013年9月末まで。1991年12月末を100として指数化。

【計算方法】
TOPIXの水準変化に応じて株式比率は比例して増減する方式としました。
TOPIXの水準が1250の時に株式比率を50%(短期金利50%)とし、順張りでは、TOPIXが1750の時に株式比率100%、逆に750で0%になるルールとしました。逆張りはその逆の方式としています。

【使用した指数等】
TOPIX:TOPIX(配当込み)、短期金利:有担保コール翌日物金利(月中平均)

【出所】
(株)東京証券取引所、短資協会データを野村総合研究所Super Focusより取得し、野村アセットマネジメントが作成

 

今回用いたルールでは、「良いファンド」の逆張り>TOPIXの逆張り≒「そうでないファンド」の逆張り>株式比率50%固定>「良いファンド」の順張り>TOPIXの順張り≒「そうでないファンド」の順張りの順になった。注目すべきは、ファンド選択より投資の順張り・逆張りの方がパフォーマンスに影響を与えていたということである。
次に、「良いファンド」の順張りが株式比率50%固定を上回るためには、どれだけαがあればよいかについてみておこう。結果を図3に示した。

図3 α(アルファ)と株式比率50%の関係

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【図について】
期間は、1991年12月末から2013年9月末まで。1991年12月末を100として指数化。

【計算方法】
TOPIXの水準変化に応じて株式比率は比例して増減する方式としました。
順張りとは、TOPIXの水準が1250の時に株式比率を50%(短期金利50%)とし、TOPIXが1750の時に株式比率100%、逆に750で0%になるルールとしました。

【使用した指数等】
TOPIX:TOPIX(配当込み)、短期金利:有担保コール翌日物金利(月中平均)

【出所】
(株)東京証券取引所、短資協会データを野村総合研究所Super Focusより取得し、野村アセットマネジメントが作成

 

図3から「良いファンド」が株式比率50%固定を安定的(1995年12月以降)に上回るためには、αが7%必要であったことがわかる。6%だと株式比率50%固定と比較的重なる期間が多い。

順張り逆張りのスタンスが重要な鍵

ここで出てきた7%という数字は条件次第で変わりうるので、その数字にさほど大きな意味はない。むしろ、ここでのエッセンスは、最終投資家の順張りか逆張りかのスタンスによって全く成績が異なるということであり、それはファンド選択以上に、重要な鍵になるということである。

 

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