第7話「お金と向き合うことで「現実の自分」が見えてくる」

女性の社会進出が話題になっている昨今、働き盛りの女性は、実際には、資産運用とどのような関わり方をしているのでしょうか。700名弱が参加する、都内の働く女性に人気のコミュニティ「きんゆう女子。」代表の鈴木さんに、女性と投資の関係について、お話をお伺いしました。

TOE THE LINE代表・「きんゆう女子。」主宰
鈴木 万梨子さん

H.I.S.にて法人団体旅行営業を担当、のべ8,000人にツアーを提供し社長賞受賞。2015年退職後、webサービス、旅行サービスのTOE THE LINE起業。起業前に転職したFinTech業界で、お金の知識のなさに衝撃を受けて生まれた女性のコミュニティ「きんゆう女子。」を主軸に事業を活動中。

女性のライフイベント全てに「お金」は関わっている

鈴木さんが運営されている「きんゆう女子。」とはどういったものでしょうか?

「きんゆう女子。」は、金融が“わからない”女性のためのコミュニティです。自ら情報をとって、投資のスタートラインに立つことを目標にしています。全然わからない女子だったけど、ちょっとやってみようかなと思ってもらえるように、毎週木曜日に兜町で女子会を開催しています。金融のメッカである兜町に来ることによって、身近に感じてもらいたいと思っています。女子会での話題や、新しい学びなどはweb上でも共有しています。「きんゆう女子。」の平均年齢は32.5歳で、現在700名弱が在籍しています。

700名とはすごいですね。女子会では、どのような話題を取り上げているんですか?

恋愛とお金、旅行とお金、家計簿、FinTech、など、女性にとって身近なお金の話題を取り上げています。最近は「漢方とお金」「デンタルとお金」などもありました。金融業界に携わっているプロの方にゲストで来ていただき、みんなで質問を投げかける「公開相談」を行う場合もあります。

もともと「金融」には、信用を担保にした取引という本来の意味と、個人の家計を含めた“世の中のお金の流れ”という広義の意味があるんですが、「きんゆう女子。」では、後者の意味としての金融に関する話題を取り上げています。

女性の生活すべてに影響を与える金融

女性にとって「広義の金融」を学ぶ意味は何なのでしょう。

女性は結婚や出産などを含めた様々なライフイベントがあり、その全てでお金は密接に関わってくるものです。さらに、将来に不安を感じている人が非常に多い現代では特に、投資や資産運用と言った金融の知識を学ぶ重要性は増してきています。金融の仕組みを知るというのは、女性の生活すべてに影響を与えることとも言えます。

生活していく上でも、金融の知識は欠かせないということですね。実際、女子会の参加者はどんな方が多いのでしょうか?

大半の方が投資初心者、もしくは未経験者です。まずは金融に親しみを持ってもらうことを目的としているので、メンバー登録時に「金融わからない度」というのを自己申告してもらうんです。中には金融業界のプロフェッショナルの人もいますが、そういう方も、実は自分の専門分野以外の金融の仕組みはわからない、と仰っていたりしますね。毎週新しいメンバーがたくさん来てくれるので、私自身、毎回新しい発見があります。

女性が金融の話をもっと気軽にできる場を

鈴木さんは、もともと旅行会社にいらっしゃったそうですが、全く違う業界の「きんゆう女子。」を設立するに至ったきっかけを教えてください。

旅行会社での仕事をしていく中で独立を目指すようになり、経験を積むためにベンチャー企業で執行役員を経験したのですが、その時の会社が金融業を営んでおりました。金融にはそこで初めて触れました。金融を学ぶ楽しさももちろんあったのですが、同時に「金融ってわからない、難しい」ということも強く感じました。金融業界は男性中心というイメージもあって、セミナーに行くのも怖いし、質問なんてとてもできない……。そこで行き着いたのが、業界の人と飲みにいって、膝を突き合わせて、直接教えてもらうってことだったんです。それがとても楽しくて。

その後、女性同士でも金融の話をもっと気軽にできる場を作りたいと考えて、最初はプライベートで金融女子会を始めました。“ひとりきんゆう女子。”ですね。そうこうして仲間が増えていくうちに、本格的に会社を立ち上げるまでに至りました。

そうなんですか。それでは「金融わからない女子」にぜひ知ってもらいたい、鈴木さんが思う、投資・資産運用の魅力とはなんでしょうか?

私自身、資産運用に向き合うことが、自分のことを知るきっかけになりました。「理想の姿」と「現実の姿」ってどうしても乖離しがちなんですが、お金と向き合うことによって、ある意味覚悟がつくと思うんですよね。投資は遠い世界と思ってしまう人もいますが、まず、人生において、今の自分のポジションを確認するためにも、お金と向き合うことは大切だと思います。

投資については、自分の裁量で自分のお金を使うので、オーナーになれるという感覚が魅力だと思います。投資を通じて自分のお金によって、世界がどう動くかが見えるというのも楽しみのひとつですね。

ポイント

  • 女性にとっても、投資・資産運用は身近なもの
  • お金と向き合うことは、現実の自分を知るきっかけになる
  • 投資の魅力は、自分の裁量で自分のお金を使い、それによって世界を動かす様子が見えること

結び

思い描いている理想像に囚われて、現実が見えなくなってしまった時、お金と向き合うことで本来の立ち位置を知ることができます。このような、金融について馴染みのない女性でも気軽に参加できるコミュニティがあるのはとても心強いですね。

次回は、働く女性は実際にどのように資産運用に取り組んでいるのかを伺います。